レース〈チーム種目・年齢別個人種目〉


2時間エンデュランス

スタート前に第一走者が数百メートルの集団になる、一番人気の種目

シマノ鈴鹿ロードで一番の人気種目・2時間エンデューロは、今年から2時間エンデュランスと名前が変わりました。名前が変わってもその人気は相変わらずで、今年もソロとチーム合わせて2150人が出走。スタート前にコースインするのはソロの選手と各チームの第一走者のみですが、スタート地点付近から最後尾が第1コーナー近くにまで達する数百メートルにもおよぶ選手の大行列がこの種目の人気を物語ります。これだけの多くの方々に安全なスタートをしていただくためにパレード走行(※)が開始されたのち、バイクのホーンを合図にリアルスタートが行われました。例年はピットの日陰で休憩をとっている選手が多いものの今年は秋を思わせるカラッとした陽気。そのためにピットに出ている選手が多く見受けられ大賑わい。そろいのジャージを着ていても人混みの中でチームメイトを探すのは一苦労。そこでオリジナルの旗やピットサインを目印にしているチームもありました。
秋らしい気候もあって、先頭集団はハイペースで周回を重ねます。先頭集団を形成する選手の多くは選手交代のためのピットインをしないソロの選手ですが、チーム種目の優勝争いは、選手交代をうまく行い、ソロの選手たちからなる先頭集団にどれだけ食らいつけるかがカギとなりました。
例年通り、2時間経過の5分前にはピットが閉鎖。ピットウォール沿いに出番を終えた選手や仲間が詰めかけ、各チームの最終走者のフィニッシュを待ちました。2時間終了の10秒前からカウントダウンを行い、2時間終了とともにチェッカーフラッグが振られました。ピットウォール沿いで待つ仲間たちは、続々とフィニッシュしてくる選手たちの中からチームメイトの姿を探し、「お疲れ〜!」とねぎらいの声をかけていました。

※パレード走行:スタートラインから一定の距離を審判の指示に従い低速で走行すること。

各組の優勝

ソロ 優勝:濱野克悠選手
2人チーム 優勝:カミハギごっちゃんですRematch
3人チーム 優勝:寝坊レーシング
4人チーム 優勝:大垣ピストンズ 頂
レディース 優勝:こりさとよしお(IRT・ZIPPYOG)
JCF登録 優勝:おちんぎんれーしんぐ




チームタイムトライアル

JCF登録クラスは国内のUCIコンチネンタルチームが真剣勝負

1チーム3〜4人で一斉にスタートし、先頭交代しながら走るチームタイムトライアルは、昨年に引き続き、女性のみのレディースクラス、JCF未登録者のみが参加できる未登録クラスを土日両日、招待チームも出場するJCF登録クラスを土曜日のみ開催しました。
土曜日に開催されたJCF登録クラスには、ホストチームのシマノレーシングや今年の全日本選手権個人タイムトライアルチャンピオンの窪木一茂選手を擁するチームブリヂストンサイクリングをはじめ、宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグなど国内のUCIコンチネンタルチームも参戦し、真剣勝負を繰り広げました。
このクラスに参加する選手の多くはプロ選手顔負けのタイムトライアル専用バイクにディスクホイールを装着し、選手自身もエアロヘルメット、ワンピースで身を固めるなど本格的な機材を投入するチームも多く見られました。
このクラスで最速タイムをマークしたのは宇都宮ブリッツェン。4周回を唯一27分台で走行、昨年2位の雪辱を果たしました。
一方、JCF未登録クラスやレディースクラスは、今年からディスクブレーキロードでの出場が解禁されました。これらのクラスは普通のロードバイクで出場する選手も多く、楽しく走ることに重きを置いていると思われるチームも多く参加していました。

●本レースの様子はこちらでご覧いただけます。
「FRESH!」サイクリングチャンネル

各組の優勝

未登録A 優勝:TEAM光
未登録B 優勝:MSM〜Last Nightmare〜
レディースA 優勝:team SP
レディースB 優勝:バルバクラブタカオカ
JCF登録 優勝:宇都宮ブリッツェン




5ステージ・スズカ

連覇中のMKWをSPADE・ACEが退け、個人・チーム総合優勝

2日間で5つのステージにチームで挑むというホビーレースでは珍しいステージレース方式の種目が5ステージ・スズカです。全5ステージの総走行距離は計106.6kmに及び、フルコースで行われるロードレースだけでなく、個人タイムトライアルやチームタイムトライアル、クリテリウムを思わせるショートコースでのレースなど、種目も多岐に及びます。今年も脚に覚えのある計33チーム、約200人の精鋭が第1ステージのスタートラインに立ちました。
毎年シマノ鈴鹿ロードの始まりを告げるオープニングレースになっている5周回を走る第1ステージは、全選手がフレッシュな状態で挑むため、まずは今年のレースの主導権を握ろうとボーナスタイム(※)のかかる周回を中心に激しいバトルを展開。このステージではバルバクラブの寺崎武郎選手が昨年に続いて優勝し、個人総合のリーダーに立ちました。
続く第2ステージでは、東ショートコース1周の個人タイムトライアルが行われ、昨年の優勝チーム・MKWの岸本伊織選手がトップタイムを記録。MKW勢は上位に多くの選手を送り込み、この点でチーム総合首位に立ちますが、個人総合は寺崎選手がキープします。
続く第3ステージのチームタイムトライアルは、例年チーム総合・個人総合の行方を大きく左右する重要なステージ。今年はSPADE・ACEが昨年個人総合・チーム総合を制覇したMKWに32秒の差を付けてこのステージを制し、チーム総合で首位に浮上。個人総合でも同チームの中川直樹選手がリーダージャージを獲得したほか、SPADE・ACE勢が個人総合上位4位までを独占する形になりました。
続く東コース5周回で行われた第4ステージでは、ボーナスタイムを獲得して大逆転をもくろむ他チームの激しい攻撃やマークに遭いながら、SPADE・ACEは個人総合上位の4人が集団内でフィニッシュし、個人総合・チーム総合をキープ。しかしフルコース7周回で行われた第5ステージでは、個人総合のトップだった中川選手が先頭集団から脱落するアクシデントが発生。他チームの選手もボーナスタイム獲得で猛攻を仕掛けましたが、第3ステージで築き上げた盤石のリードがものを言い、SPADE・ACEがチーム総合の座を死守。個人総合優勝も同チームの寺田吉騎選手が獲得しました。

※ボーナスタイム:ボーナスタイムを得ると、個人のゴールタイムから時間(10~1秒)を差し引くことができます。〈詳しくはこちら

優勝

個人総合時間賞:寺田吉騎選手(SPADE・ACE)
チーム総合時間賞:SPADE・ACE




マスターズ 40+ / 50+ / 60+

40歳以上の同世代の選手が繰り広げる真剣勝負

40歳以上の選手が10歳刻みのクラスに別れ、同世代の選手同士で真剣勝負を繰り広げるマスターズ。40歳以上、50歳以上、60歳以上の3クラスが設けられ、40歳以上と50歳以上のクラスはそれぞれ2組に分かれてレースを行いました。
このうち2日目最初のレースの40+は、1組目で小林孝臣選手がスプリント賞(※)とゴール順位でともに1位を獲得する完全優勝を果たしました。
このクラスでは上位陣が激しいレースを繰り広げる一方で、シニアになってから自転車を始めた選手や子育てが落ち着いて自転車を再開したと思われる選手も出場していて、マイペースでゴールを目指す方も少なくありません。また、60+には72歳の選手も出場していて、自転車が生涯楽しめるスポーツであることを物語っていました。

※スプリント賞:コースの途中にスプリントポイント地点を設け、指定された周回数で上位通過した選手に規定のポイントを与え、合計ポイントが最も高い選手を表彰するもの。合計ポイントが同点の場合は、スプリントポイント地点を1位で通過した回数が多い選手を上位とします。1位通過回数でも同点の場合は、先にゴールした選手を上位とします。

各組の優勝・スプリント賞

40+1組 優勝:小林孝臣選手 スプリント賞:小林孝臣選手
40+2組 優勝:松田洋幸選手 スプリント賞:多賀良成選手
50+1組 優勝:水草和英選手 スプリント賞:角田光隆選手
50+2組 優勝:牧野徹選手 スプリント賞:前川圭助選手
60+ 優勝:松本謙選手 スプリント賞:福島雄二選手




中学生 男子

大人顔負けの巧みな戦術と迫力満点のスプリントを見せる中学生レーサーたち

JCF未登録の中学生の男子による中学生クラスは、土曜・日曜でそれぞれ1レースずつ実施。今年は土日合計でおよそ70人が出場しました。
日曜日の朝行われたレースでは、上位陣はライバルの様子をうかがいながら集団を形成し、最終周回のスプリントポイントをかけたバトルへ。前日のレースでスプリント賞(※)とゴール順位でともに1位を獲得した芝池旺伽選手が2日連続の完全優勝を目指し、この日もゴールラインとスプーンカーブのスプリントポイント地点を1位通過。続くダンロップカーブ地点を2位通過してポイント賞が確定。このままレースはゴールスプリントへ突入、最後は火島裕輝選手が意地を見せて先着し、このレースを制しました。真剣勝負を繰り広げる中学生レーサーのスピードや迫力は大人顔負けで、若い選手たちの将来性を感じさせました。

※スプリント賞:コースの途中にスプリントポイント地点を設け、指定された周回数で上位通過した選手に規定のポイントを与え、合計ポイントが最も高い選手を表彰するもの。合計ポイントが同点の場合は、スプリントポイント地点を1位で通過した回数が多い選手を上位とします。1位通過回数でも同点の場合は、先にゴールした選手を上位とします。

各組の優勝・スプリント賞

土曜日
A 優勝:芝池旺伽選手 スプリント賞:芝池旺伽選手

日曜日
B 優勝:火島裕輝選手 スプリント賞:芝池旺伽選手




小学1-2年生・3-4年生・5-6年生

前日2位の子が次の日のレースで優勝するなど、各レースにドラマあり

小学生ライダーのひのき舞台・小学生クラスは、1〜2年生、3〜4年生、5〜6年生の各クラスでそれぞれ男女別にレースを行います。1〜2年生は東ショートコース1周、3〜4年生は東ショートコース2周、5〜6年生はフルコース1周と、年齢が上がるにつれて距離も長くなっていきます。
このクラスではスタート前まで家族らがコースに付き添いをすることが認められていて、子どもの緊張をほぐしたりドリンクを飲ませるなどしてそれぞれの家族がレースに備えました。小学校1〜2年生のクラスの選手は、普段から遊びの時に使っているようなキッズバイクで出場する子も少なくありません。一方、学年が上がるにつれて本格的なロードバイクで出場する子も増えていきます。
スタートの時間が迫ると緊張した表情を見せる選手たちも、号砲とともに元気よくスタート。上位陣はスタートからものすごいスピードで飛び出していき、学年が上がると前の選手を風よけに使いながら走る選手も見られました。各組とも上位の選手の顔ぶれは決まっていて、中には2日続けて優勝した強者もいる一方で、前日2位になった選手が翌日に前日敗れた選手を下して優勝するクラスもあるなど、それぞれのレースにドラマがありました。

各組の優勝

土曜日
1〜2年男子A 優勝:樋渡皇瑛選手
1〜2年女子A 優勝:竹中珠央選手
3〜4年男子A 優勝:松山海司選手
3〜4年女子A 優勝:福山颯希選手
5〜6年男子A 優勝:木綿崚介選手
5〜6年女子A 優勝:松崎光優選手

日曜日
1〜2年男子B 優勝:伊藤隆聖選手
1〜2年女子B 優勝:竹中珠央選手
3〜4年男子B 優勝:松山海司選手
3〜4年女子B 優勝:福山颯希選手
5〜6年男子B 優勝:松井颯良選手
5〜6年女子B 優勝:松崎光優選手




バンビーノ

小学校入学前の子どもの晴れ舞台。元気にサーキットを駆け抜ける!

2日目のメイン種目・シマノ鈴鹿ロードレース クラシックの終了直後、国内トップ選手たちによる熱いレースが終わったばかりのサーキットに、0歳から6歳までのかわいらしい子どもたちが次々に入場します。小学校入学前の子どもたちによるエキシビション、バンビーノに参加する子どもたちです。今年も親にピッタリくっついているシャイな子や、自分の出番はまだかと動き回る活発な子、ベビーカーで熟睡している子など、50人ほどが参加しました。
子どもたちは、ベビーカーや乗用タイプのクルマのおもちゃ、キックバイク、子供用の自転車など、それぞれの愛車でゴールを目指しました。ここでも一目散にゴールを目指す子、周りをきょろきょろ見ながら走る子など、それぞれの個性を発揮。中には親とおそろいのチームジャージを着て走る子もいました。
子どもたちが頑張る様子を、家族は伴走したりコース脇で待機したりしながら撮影し、声援を送っていました。