レース〈個人種目〉


富士見キングオブマウンテン・4ステージ

上り、下り、短距離、長距離の総合力で“山の王者”を決める新種目

第8回目を迎えた「富士見キングオブマウンテン」は、今年からポイント制のステージ型レース「富士見キングオブマウンテン・4ステージ」に生まれ変わりました。2日間でDHエンデューロ、ヒルクライム、ショートXC、2時間エンデュランス ソロと4つのレースを行い、レースごとの順位によってポイントが与えられ、合計ポイントが高い選手が総合優勝となる種目です。下り、上り、スプリントレース、エンデュランスレースというタイプの違うレースで、使えるバイクは1台のみ。ホイールやサスペンションの交換は禁止なので、体力とともに技術、戦略が高いレベルで求められる、まさにMTBの山の王者を決めるにふさわしい最高峰の種目です。
初代王座を目指して第1ステージに出走したのは27人の精鋭たち。女子選手も2人チャレンジしました。第2ステージのヒルクライムは悪天候が予想されたためにキャンセルになりましたが、選手達は各ステージで熱戦を繰り広げました。下りが得意な選手と上りの得意な選手がそれぞれの持ち味を発揮して混戦になるかとも予想されましたが、蓋を開けてみれば第1ステージから第3ステージ終了までは上位3人は同じ顔ぶれで、DHエンデューロとショートXCでは松本一成選手が連勝しました。
最終ステージは2時間XCエンデュランス。このレースでも総合上位3人が積極的にレースを進めましたが、総合2位タイに付けていた山口選手が中盤以降はレースを支配。ぐんぐんとリードを広げ松本選手に1周差をつける圧勝をおさめました。しかしながらこのステージでも2位に入った松本一成選手が3ステージ中2ステージを制したこともあり初代王者に輝きました。
また、本大会では副賞として富士見キングオブマウンテン「優勝トロフィー」と優勝エンブレムを刺繍した特製「サイクルバッグ」を贈呈。バッグを受け取った優勝者は「かっこいいですね!記念になります!」と喜びの声が上がっていました。

第1ステージ優勝:松本 一成選手
第2ステージ:悪天候のためキャンセル
第3ステージ優勝:松本 一成選手
第4ステージ優勝:山口 創平選手
総合優勝:松本 一成選手
マスターズ賞(40才以上):鈴木 敦夫選手
WOMAN賞:松本 璃奈選手



60分XCマラソン

今年も大会のオープニングを飾った“60分1本勝負”

毎年シマノ・バイカーズフェスティバルの始まりを告げる60分XCマラソン。今年は台風の接近にともない、一時大会の開催も危ぶまれましたが、午前8時、定刻通りにスタートの合図を告げるホーンとともにMEN1、MEN2、WOMENの各クラスの選手合計約50人が一斉にスタートしました。
今年は上位入賞の常連選手の多くが富士見キングオブマウンテン・4ステージに出場しましたが、上位を目指す選手は、スタート直後から先導するシマノサポートライダーに追いつかんばかりの勢いで飛び出し、ホームストレートの上りも勢いよく駆け上がって序盤から激しいバトルを展開。心配された雨は時折ぱらつく程度で、選手たちは砂埃を巻き上げながらホームストレートを疾走しました。
それ以外の選手はマイペースで淡々と集会を重ね、60分経過ぎりぎりでコントロールラインを通過できそうながら「この周で終わりにしたい」と考えていると思われる選手がMCに促されて次の周回に突入する場面も見られました。
各クラスを制したのは、MEN1が片岡誉選手、MEN2が多賀良成選手、WOMENが渡部春雅選手でした。



30分XCマラソン

ペアの部は親子やカップル、兄弟など多彩なペアが参戦

ソロでもペアでも走れ、ペアの部は小学生から、ソロの部も小学校4年生以上から走れる30分XCマラソン。特にペアの部は二人同時に走れるという他の種目にはない魅力があって、毎年親子や兄弟、カップルなど多彩な“ペア”が参加しています。今年はソロとペアの部合わせておよそ50チームが参加しました。
ペアの部は2人同時に走る必要があり、脚がそろっているペアは時折先頭交代をしながら周回を重ね、親子など脚力差があるペアも速い選手がもう一人の選手をフォローしながら走り、それぞれのペースでゴールを目指しました。ゴール時には併走しながらつないだ手を挙げてフィニッシュラインを超えたり、フィニッシュ後に声を掛け合ってお互いの健闘をたたえ合うなど、2人でレースをともに走るペアならではの光景も見られました。一方、ソロの選手は競技時間が比較的短いことから、上位陣はハイペースでコースを周回していました。
ソロの部を制したのは、わずか12歳の高橋翔選手で、後続に2分以上の差を付ける圧勝でした、ペアの部はLimited Team 846女子ペアが制しました。

ファットバイク60分XC

極太のタイヤはコースの中でも存在感抜群!

ファットバイクとは砂地や雪の上などでも走れるように太さ3.5インチ以上のタイヤを履かせて走破性を高めたバイクです。
ファットバイクは同時スタートした60分XCマラソンやシングルスピード60分XCのバイクに混じっても存在感抜群。ホームストレートでは極太タイヤのロードノイズをとどろかせながら圧倒的な存在感を放ち、見た目の迫力とそれとは裏腹のハイスピードで駆け抜けるギャップがコース沿いの小さな子どもたちに人気で、「あのバイクカッコいい!」とあこがれの表情で見つめるちびっ子の姿も見られました。
今年この種目を制したのは小堺猛弘選手。2位に1周差を付ける完勝でした。



シングルスピード60分XC

ディフェンディングチャンピオン・坂手選手が3連覇を達成

前後の変速機を搭載しないシングルスピードバイクだけで争われるシングルスピード60分XC。
変速機付きのバイクでは勾配変化に応じてギヤを変速することができますが、シングルスピードバイクは上りも下りも同じギヤ比で走るため、レース前のギヤ比の選択が重要です。3年目の今年は順調に参加者も増え約20人がエントリー。60分XCマラソンとファットバイク60分XCと同時スタートしました。
レースは序盤からディフェンディングチャンピオンの坂手潤一選手がじわじわとリードを広げ、最終的に2位の選手に2分以上の差を付けてフィニッシュ。この種目の3連覇を達成しました。



XCエリミネーター

短時間で勝敗が決まる勝ち抜き方式の新種目。各ヒート手に汗握る熱戦

今年のバイカーズのもうひとつの新種目がXCエリミネーター。全長約460m、高低差13mの特設コースを5〜6人程度で一斉にスタートし、上位2人が勝ち抜けて次のヒートに進み、決勝戦ではトップで入った選手が優勝となるシンプルな種目です。コースはホームストレートからほぼ一望でき、スタートからフィニッシュまでのレース展開もほぼ通して見ることができます。短時間で勝負が決まるので、選手はもちろん、観戦する側も手に汗握るバトルを楽しめます。
レースは第1ヒートから激しいバトルに。第1コーナーにトップで飛び込む「ホールショット」を決めた選手が有利にレースを進められる傾向は見られましたが、上り返しでの足つきやコーナーでの転倒が勝負を左右することもあり、最後まで予断を許さない展開となりました。第1ヒートに続いて第1ヒート敗退者による敗者復活戦、第1ヒート各組上位2人と敗者復活戦各組の勝ち上がり選手による第2ヒートを経て、第2ヒートで上位2位に入った精鋭達6人による決勝戦が行われました。号砲とともに大石善功選手が飛び出してホールショットを決め、途中、差を詰められる場面はあったもののそのまま逃げ切り、この種目の初代王者に輝きました。



キッズXC

現在のトップ選手もここからスタートしたスターへの登竜門

キッズXCは、小学生のキッズライダーのためのレース。1年生から3年生までのクラス、4年生から6年生までのクラスに分かれ、それぞれ男女別にレースを行います。現在トップライダーとして活躍する選手の中にもキッズXCに出場していた選手がおり、このレースは将来のスター選手の卵が集うレースであり、スターへの登竜門とも言えます。今年は土日両日の全クラス合計でのべ約120人が出走しました。
低学年クラスは1周300mのショートコース、高学年クラスは60分XCマラソンなどと同じ1周1.3kmのコースで行われます。各クラスとも表彰台を目指す上位の選手がスタートから全力で飛ばす一方、マイペースで走る選手も多く、思い思いのペースでゴールを目指しました。上位の選手は各地のレースで活躍するいわば“スター候補生”で、滑りやすいコーナーも上り返しも抜群のテクニックでスムーズにクリアしていくのが印象的でした。
土曜日の各レースの優勝者は、BOYS1が郷津輝選手、GIRLS1が廣田莉子選手、BOYS2が山田愛太選手、GIRLS2が日吉彩華選手でした。
日曜日の各レースは、BOYS1を西村智輝選手、BOYS2を中仙道侑毅選手が制しました。GIRLS1は廣田莉子選手、GIRLS2は日吉愛華選手が土曜日に続いて連勝しました。



ビギナーXC

上位3人は中学生。若い力が表彰台を独占

2日目のXC系レースの最初の種目は、60分XCマラソンなどと同じ全長1.3kmのXCコースを10分で何周できるかを争うビギナーXC。レース時間が短いので、バイカーズに初めて出場するMTBのビギナーにも挑戦しやすく、上位陣はハイペースで走れるので、ビギナーから競技志向の強い選手までそれぞれのペースで楽しめるのが魅力です。
レースは10分間ですが、上位の選手は3周を走ります。昨年はマッドコンディションで上位の選手も2周でフィニッシュを迎えましたが、今年は3周完了した選手が5人も現れました。
そんな今年のレースを制したのは、この後開かれた30分XCマラソンのソロ部門でも優勝した高橋翔選手。2位と3位にもそれぞれ12歳、11歳の選手が入り、中学生選手が表彰台を独占しました。
また、本大会ではプロライダーチーム「MIYATA-MERIDA BIKING TEAM」の恩田祐一選手・山田将輝選手の両名が、試乗会や出展社PRブースでも登場した「e-MTB」でサポート走行してくれました。そのパワフルな登坂力にギャラリーの皆さんからも注目を浴び、驚きの声が上がっていました。



DHエンデューロ

悪天候の影響で1日目は唯一のDH系種目に

緩い下り基調ながら、コース中盤に短いながらも急な上り、ゴール前にはタイトターンも続く全長2.9km、高低差210mのテクニカルなコースで行われるDHエンデューロ。当日は時折雨がぱらつく時間はあったものの基本的に曇りで、コースは表面がウエットながらドロドロというほどでもない状態。マッドコンディションだった昨年よりは好タイムが期待できそうなコンディションでした。
多くの選手がこのコースでは有利なフルサスバイクで挑んでいましたが、下り重視のDHバイクで挑むか、上りとコーナーでの取り回しを重視したフリーライド系のバイクで挑むかは戦略が分かれました。中にはリアサスペンションを持たないハードテールバイクで挑む強者もおり、フルサスバイク勢いにテクニックで挑んでいました。
このレースを制したのは藤田翔也選手。5分50秒43の好記録で、2位に4秒の差を付けました。



DH

台風で前日試走中止もレースでは熱戦を展開

DH系のメイン種目・DHは、台風の影響で前日の試走が中止になるなど影響を受けましたが、台風一過の大会2日目は、予定通り試走とレースが行われました。この日の天候は、時折雨がぱらつくものの本降りにはならず、時折晴れ間ものぞきましたが、コースコンディションは地表面がすこしぬかるんで木の根なども濡れて少し滑りやすい状態で、選手たちにとってはどこまで攻めるかの判断が問われる条件でした。
第1ヒートは慎重に走る選手が見られる一方で、いきなり好タイムを記録する選手も。MEN1、MEN2、リジッドオープン、WOMENの各クラスの選手が一巡し、第2ヒートに入ると、第1ヒートのタイムを更新する選手が続出。各クラスの上位選手の多くは第2ヒートでタイムを伸ばした選手達が締めました。
第1、第2ヒートの間では、シマノサポートライダーのDH選手がデモ走行を披露。各カテゴリーのトップ選手を大幅に上回るタイムを記録し、ギャラリーを盛り上げました。
各部門を制したのは、MEN-1が黒沢大介選手、MEN-2がギルズナン・ポール選手、リジッドオープンが西田岳選手、WOMENが中川瑶子選手でした。



激坂ゲレンデヒルクライム

シマノサポートライダーのデモレースにe-MTBも特別参戦

MTBでは珍しいヒルクライム競技、しかもコースはシーターゲレンデに設けられた距離200m、高低差30mの平均勾配15%の上りコースという厳しいコースで実施されました。小学校低学年、小学校高学年、中学生以上の3クラスに分かれてそれぞれ「用意ドン!」の合図で一斉に上り、速く上った人が勝ち。コースもシンプルならルールもシンプルで、毎年多くの参加者が集まります。
今年も30人近くの“坂好き”が集い、各組の上位6人だけが獲得できる高原野菜詰め合わせをかけて熱いバトルを繰り広げました。ゲレンデを直線的に上るだけのコースですが、コース中盤から終盤にかけて徐々に勾配がきつくなり、路面も荒れているなど、見た目以上にハードなのが特徴。最後まで意地でも足を着かずに上りたいと奮闘する選手がいる一方で、早々にバイクから降りてバイクを押しながらゴールを目指す選手もいて、見応えのある勝負が繰り広げられました。
レースに先駆けてシマノサポートライダーがデモ走行を披露するのが毎年恒例ですが、今年はそこに急遽、知る人ぞ知る自転車旅ブロガーの「神楽坂つむり」さん、そして「女子高生ライダー」らが「e-MTB」で特別参戦!勝負の行方が注目されましたが、「MIYATA-MERIDA BIKING TEAM」の山田将輝選手がトップでフィニッシュし、プロライダーの面目を保ちました。

《神楽坂つむりさんのブログ『つむりの悠々自適ライフ』で本大会が紹介されています!》



ミルキー

未来のスターたちが火花を散らす!?

2日間のレースを締めくくるのは、小学校入学前の子どもたちによるエキジビションレース・ミルキー。レース開始前には時折日差しも届くなど気温も上昇。会場近くのブースから無料で提供されたパラソルを差してもらい、9カ月から6歳までの約30人が今か今かと出番を待ちました。
子どもたちは年齢別に組に分かれて出走。スタート前にはMCアケさんが一人一人名前を紹介。6歳クラスでは好きな食べ物をインタビューし、場を和ませました。
子どもたちの愛車はさまざまで、年齢の小さいクラスではキックバイクに乗る子どもが多く、年齢が上がるにつれて子供用の自転車に乗る子どもが増えていきました。家族の伴走もOKなので、親と一緒にゴールを目指す子もいました。
レースは用意ドンの合図でスタート。我先にとゴールを目指す負けず嫌いな子もいれば、マイペースでゴールを目指す子もいて、子どもたちの個性が感じられました。ゴール後にお土産をもらった子どもたちは、嬉しそうに中身を確かめていました。