スポーツバイクファンが集まり、幾つもの思いが重なりあって生まれた物語。

広大に広がる鈴鹿サーキットを舞台に繰り広げられた第34回シマノ鈴鹿ロード。今大会では新たに「ディスクブレーキロードの部」が設けられ、試乗会では電動アシストスポーツ車も登場するなど、さらにスポーツバイクの楽しみ方が広がっていったのではないでしょうか。
数多の試練を乗り越え最後までペダルを回し、優勝の栄冠を手にしたヒーロー達の熱きドラマ。仲間や家族とともに新たなスポーツバイクの魅力に触れ、さらに楽しみ方の幅が広がった2日間。シマノ鈴鹿ロードに来場された皆さん一人ひとりの思いが幾つも重なりあい、会場には溢れんばかりの笑顔が広がっていました。ここではそのワンシーンをお届けしていきます。

ディスクブレーキロードの部 優勝

斉藤 和哉選手(所属チーム:シルクロード)

ディスクブレーキを巧みに操り、新種目を征したのはシクロクロスライダー

今大会から新たに登場した種目「ディスクブレーキロードの部」。参加可能な車両はもちろんディスクブレーキロードのみで、フルコース1周(約5.8km)のタイムを競うこの種目の初王座を勝ち取ったのは斉藤和哉選手でした。シマノ鈴鹿ロードへの挑戦は今年で3回目だそうです。「3年くらい前からディスクブレーキロードに乗っていました。シクロクロスの経験もあるので普段から感じているのですが、ディスクブレーキは握りが軽くコントロールしやすいですね。雨でもブレーキが効きやすいので。握力にあまり自信がない自分に合っていると思います」と語る斉藤選手、この新種目への意気込みは並々ならぬものがありました。「待ちに待ったディスクブレーキロードの種目でしたし、どうしても勝ちたかったのでこの日のために最高の機材を揃えて挑みました!」
レースではゴールスプリントでの勝負を狙っていたという斉藤選手。「オープン参加(順位に関わらない)の選手が序盤から猛アタックを仕掛けて来たので、負けじと追いかけました。結果的にその選手に勝てなかったことが心残りですね。来年は完全な形で優勝して2連覇を目指します!」

小学5-6年 女子 A 優勝

日吉 愛華選手(所属チーム:846リミテッドチーム)

ロードバイク経験はわずか1年未満!初優勝に輝いた小学6年生の女子レーサー

フルコース1周(約5.6km)を最後まで走り抜き、小学5〜6年限定のレースで見事初優勝に輝いたのは6年生の日吉愛華選手でした。ゴールするまであまり自信はなかったという日吉選手、それもそのはず、ロードバイク経験はわずか1年足らず。日吉選手は普段マウンテンバイクがメインだそうで、練習のために昨年ロードバイクに乗り始めたそうです。初めて挑戦したロードレースの感想を聞いてみると「最後のスプリントはきつかったけど、すごく楽しかった!優勝できて本当に嬉しいです」と照れながらもキラキラした笑顔でインタビューに答えてくれました。
実は日吉選手、今年7月に開催された「シマノ・バイカーズフェスティバル」にも出場して優勝を飾ったほどの実力のある選手。「2年前にバイカーズに出た時は最下位、去年は3位で今年初めて優勝できたんです」着実に力をつけながら急成長を遂げた日吉選手、レースを始めたきっかけはお父さんの趣味がマウンテンバイクだったこと。日吉選手のお父さんは「娘のサポートができて嬉しいです!娘はトライアルもやっていて本当に自転車が好きなんです」と嬉しそうに話している姿がとても印象的でした。

チームタイムトライアル レディース A 優勝

レッドオルカ・クオド(落合 南帆選手/上総 香子選手/中条 彩香選手)

女子ボート部がロードレースに初挑戦!仲間とともに勝ち取った初優勝

先頭を交代しながら3〜4人のチームでまとまって走り、フルコース2周(総距離約11.6km)のタイムを競う「チームタイムトライアル」の女性限定クラスで初優勝を果たしたのは、レッドオルカ・クオドの落合南帆選手、上総香子選手、中条彩香選手の3名。この女子チーム、実はDENSOボート部の仲間で構成されたメンバーだそうです。ボート部のメンバーでレースに出場したのは2チーム。チームリーダーの落合選手に優勝を果たした感想を伺いました。「元々はボート部の練習の一環でロードバイクに乗り始めたんです。どうせならレースにも挑戦してみよう!ということで今回初めて参加しました。この優勝は女子ボート部全員で勝ち取ったものだと思います!」と熱く語ってくれました。
作戦は特に立てていなかったという落合選手。「レースのレベルもわからないので、とにかくいつもの練習通りに頑張って力を出し切ろう!という思いで走りました。走る距離は大丈夫でしたが、コースが思った以上にアップダウンがあったので辛かったですね。特に上りはしんどかったので下りでスピードを出していきました」今年の10月にはボート競技の全日本選手権があるとのこと。ロードレースに続いてボートでも優勝を果たしてくださいね!

2時間エンデューロ 4人 優勝

チームカミハギごっちゃんです(松川 航選手/城所 皐輔選手/佐藤 淳選手/岩瀬 群青選手)

大会当日に目標変更!? 初メンバーで初優勝に輝いた実力派揃いのチーム

チームで走者を交代しながら2時間にわたる競技時間を走り抜き、「2時間エンデューロ」の4人クラスで見事初優勝に輝いたのは「チームカミハギごっちゃんです」の城所皐輔選手、松川航選手、佐藤淳選手、岩瀬群青選手でした。優勝インタビューではリーダーの城所選手から「実は今日のお昼くらいまでは優勝を狙っていませんでした」という驚きの発言が飛び出しました。「3位に入れればいいかな、というくらいで思っていました。でも、今日の午前中に私が出場した『3周の部』のレースで、思った結果が出せず、すごく悔しい気持ちになって… お昼くらいに“優勝を狙おう!”と急遽目標を変更しました!」と城所選手がレースの舞台裏を語ってくれました。
急遽目標を優勝に定め挑んだレースでは、狙った通りの展開ができたそうです。「走者の交代がうまくいったのが良かったですね。最初の交代で先頭集団にすぐ復帰できたんです。前半で周回数を稼ぐ事ができたので、あとは逃げに徹しました。このメンバーでは初めての挑戦でしたが、本気を出せば必ず優勝できると信じていました」と語る城所選手。まるで優勝を予言していたかのようなチーム名の「ごっちゃんです」、実は他の人にチームの命名をお願いしたらいつの間にか勝手に決まっていたという城所選手。「フタを開けてみたらドンピシャのチーム名でした!」と笑顔で語ってくれました。

5ステージ・スズカ 団体総合時間賞

MKW(大東 泰弘選手/森崎 英登選手/湯浦 裕貴選手/篠田 淳史選手/河田恭司郎選手/岸本 伊織選手)

昨年に引き続き優勝を果たし2連覇を達成!愛知県三河地区の選抜チーム

2日間にわたる熱いステージレースを走り抜き、昨年に引き続いて見事「5ステージ・スズカ」の団体総合時間賞に輝いたのは「MKW」の大東選手、森崎選手、湯浦選手、篠田選手、河田選手、岸本選手の6名。チームリーダーの大東選手に2連覇を達成した感想を伺いました。「昨年初優勝して今年は追われる立場に変わるのでプレッシャーも大きくなります。チームメイトには“このチームはさらに強くなった!必ず優勝できる!”と言い続けてきました」
スプリントは森崎選手と河田選手の「Wエース」で挑んだという同チーム。「リーダーから私は“遊撃手として自由に走って!”と言われていました」と語ってくれたのは、個人総合時間賞を獲得した河田選手。実はロードバイク歴1年半ほどだそうで「以前ダイエットに成功してやることがなくなった… と思っていた時にロードバイクに出会って乗り始めました。ダイエット時代にしていた筋力トレーニングは今でも毎日続けています」と笑顔で語ってくれました。
「MKW」は愛知県三河地区にある100以上ものチームで構成された「三河連合」というグループ選抜メンバー。「来年はもちろん3連覇を狙っていきますが、ライバルチームはこれを阻止しようと燃えているはず。私たちもこれまで以上にもっと頑張っていきます!」と、来年に向けて早くも闘志を燃やすMKWの皆さんでした。