広大なサーキットコースを駆け抜け、勝利をつかんだヒーローたち。

全長約5.8kmという広大な鈴鹿サーキットを舞台に繰り広げられる「シマノ鈴鹿ロード」。表彰台の頂を目指して日々トレーニングを積み重ねてきた選手、人生初のロードレースに挑戦するビギナー、信頼する仲間とともに力の限り走り抜いたチーム… 一人ひとりの思いがゴールを目指し、夏の青空のもと駆け抜けていきました。 数々の試練をくぐり抜け勝利をその手につかんだヒーローたちの背景には、どのようなドラマがあったのでしょうか。

3周の部 A・B 優勝

高木 英行選手(所属チーム:PRT KOSEKI)

猛者たちが集う3周の部を征したのは、なんと15歳の若手レーサー!

参加資格は中学生以上、フルコース3周回(総距離約17.5km)のタイムを競う「3周の部」で優勝に輝いたのは、なんと今年中学校を卒業したばかりという高木英行選手。シマノ鈴鹿ロードへの挑戦は今年で2回目、実は昨年「中学生 男子」(フルコース2周回/総距離11.7km)でも優勝したそうです。優勝の感想を聞いてみると「去年もらった優勝ジャージを着て出場しようかと思っていたのですが、勝てなかったら恥ずかしいと思い着ませんでした。思い切って着てくれば良かったです」と、ユニークなコメント。
実は高木選手、怪我で1カ月ほど走ることができなかったそうです。レース展開について聞いてみると「大会前にあまり練習ができなかったので、かなり辛かったですね。スプリント賞も狙っていたのでレース序盤から前に出るようにしていましたが、最初のポイント計測地点で無理だと感じ作戦を変更したんです。集団に入り脚力を温存して、今日は優勝だけを狙いました。明日のレースはスプリント賞もとりたいです!」と高木選手。残念ながら大会2日目もスプリント賞は逃したものの見事優勝を果たし、2連覇を達成しました。

小学5-6年 男子 A 優勝

杉原 碧空選手(所属チーム:ユーロード)

大会3回目の挑戦で初優勝に輝いた、エリートの香り漂う小学6年生

フルコース1周を走り抜き、見事初優勝を果たしたのは小学6年生の杉原碧空選手。シマノ鈴鹿ロードは今年で3回目という杉原選手、遂に表彰台のトップへと登り詰めました。小学生限定の種目なので距離は約5.8kmと短めですが鈴鹿サーキットコースは想像以上に高低差があり、大人でも走りごたえのあるコース。レースは大変でしたか?というインタビューに杉原選手は「スタートで前に飛び出したのですが、その後は徐々に遅れてしまいました。コース終盤のS字カーブで何とか巻き返して、最後のホームストレートで一気に差をつける事ができました。優勝できて凄く嬉しいです!」と、大人顔負けのコメント!
3回目の挑戦で初優勝に輝いた杉原選手、その背景には日々積み重ねてきたトレーニングがありました。「ローラー台を朝20km、昼に30km、夜に30km、毎日回して練習していました。ロードバイクに乗り始めた頃からロードレースの大会で優勝したい!とずっと思っていました」と、既にエリートの香りが漂う杉原選手。練習に付き添っているパパさんは「まだ私の方が速いので、“俺を抜かしてみろ!”といつも言って練習しています」パパさんが抜かれてしまう日はそう遠くないかも!?

マスターズ50+ B 優勝

小野 忠選手(所属チーム:パインヒルズ’90)

3年ぶりの挑戦にもかかわらず、優勝&スプリント賞のダブル受賞!

フルコース2周回(約11.6km)のタイムを競う50歳代限定の「マスターズ50+」を征したのは、55歳の小野忠選手。シマノ鈴鹿ロードは3年ぶりの挑戦だそうです。「仕事が忙しくてなかなか来られず、ようやく3年ぶりに鈴鹿に帰ってきました!実は体調が悪くてほとんど練習できなかったので、レース前はまったく自信がありませんでした。でも、コースに出てスタートした瞬間、体にスイッチが入りましたね!ゴール前のスプリントは嫌いなので、最初から一気に逃げに出ました」と小野選手。ゴールまで独走して逃げ切り、優勝はもちろんスプリント賞(※)も獲得し見事ダブル受賞を果たしました。
小野選手がロードバイクに乗り始めたのは約6年前。当時はオートバイに乗っていたそうですが、友人に誘われてロードバイクの大会に出場。「初めて出た大会で友人に負けてしまったことが悔しくて、それからロードバイクにどっぷり浸かっています」シマノ鈴鹿ロードをはじめ、各地のロードレースでも優勝経験がある小野選手。同じチームに所属するベテランレーサーの大塚選手(マスターズ60+優勝)を師匠と仰いでいるそうですが、実は練習があまり好きではないようで… 「練習あんまりしないのに何故強いの?と友達からよく言われます」とユニークな一面も見せてくれました。

※スプリント賞…コースの途中にポイント計測地点を設け、指定された周回数で計測地点を上位通過した選手にポイントを与え、合計ポイントが高い選手が獲得する賞です。

5周の部 B 優勝

伊原 弘幸選手

ゴール前スプリントで一気に勝負、約10年ぶりの表彰台へ!

フルコース5周回、総距離約29.1kmという長めの距離を走る種目「5周の部」で表彰台のセンターに輝いたのは約10年ぶりの参加と言う伊原選手。スピードとともにスタミナも要求される中級者以上向けのレースということもあり、レース展開を見ながら駆け引きが求められるこのクラス、伊原選手は最初から作戦を決めていたそうです。「ゴールスプリントが得意なので、勝負の瞬間まで集団に入りスタミナを温存していました。ゴール手前200mくらいでそろそろかな?と思い一気に勝負に出ました」という伊原選手、結果は2位との差わずか0.34秒で見事なゴールスプリントを見せてくれました。
約10年前にシマノ鈴鹿ロードに参加したときに挑戦した種目は「5ステージ・スズカ」。初めてシマノ鈴鹿ロードに登場したステージ型の新種目ということもあり、仲間とチームを組んで参加したとのこと。総合優勝は逃したものの、チームでステージ優勝を果たしたそうです。「個人でシマノ鈴鹿ロードの表彰台に上ったのは初めてです。友人に誘われて久しぶりに参加しましたが、昔より選手のレベルも上がったと感じました!」と爽やかな笑顔で答えてくれました。表彰台でのインタビューでは「練習ですか?してないですよ。…でも実はこっそりしてるかも?」とユニークなコメント。引き続き来年のご参加をお待ちしております!

チームTT レディース A 優勝

HOT FLASH(櫻田 千晶選手/吉田 真奈美選手/西口 悦子選手/恒田 さよ子選手)

複数のチームから集まった「仲良しメンバー」、念願の初優勝を達成!

先頭を交代しながら3〜4人のチームでまとまって走りタイムを競う「チームTT」の女性限定クラスで優勝を果たしたのは、HOT FLASHの櫻田選手、吉田選手、西口選手、恒田選手の4名。チームリーダーの櫻田選手に優勝を果たした感想を伺いました。「チームTT レディースは今年で4回目のチャレンジでした。昨年は激しい接戦で結局優勝を逃してしまったのですが、今年はチームメイト全員がそれぞれの役割を果たして全力を出し切り、遂に初優勝できました。オリンピックイヤーに優勝できて本当に嬉しいです!チームの監督やメンバーのみんなが見守ってくれたおかげです!」と大興奮でコメントしてくれました。
実はこのHOT FLASH、普段は複数のチームに所属している「仲良しさん」が集まってできた混成チーム。このチームのためにジャージを新たに作ったそうです。「仲良しメンバーが集まってできたチームなので、このチームジャージで優勝できて嬉しいです!」と恒田選手。練習について櫻田選手に伺ってみると「普段は各個人で練習を重ねて、6月からローテーション(先頭交代しながら集団走行すること)の特訓に入りまし先頭交代する時の声かけの練習はもちろん、声が大きい人、先頭を引っ張る人など各メンバーの個性に合わせて役割を決めてトレーニングしてきました!」HOT FLASHのみなさん、念願の初優勝おめでとうございます!

2時間エンデューロ 4人 優勝

シャープ自転車部AOK^2(木村 治選手/小久保 正彦選手/吉田 鈴選手/大石 隆俊選手)

16歳の娘さんが父の代走を務め初優勝!年齢差41歳の混成チーム

2時間にわたる競技時間を走者交代しながらチームで挑む「2時間エンデューロ」、4人クラスで初優勝に輝いたのはシャープ自転車部AOK^2の木村選手、小久保選手、吉田選手、大石選手。シマノ鈴鹿ロードの出場は10回以上という参加経験を持つベテランチームです。まだ16歳という女性レーサーの吉田選手、実は急遽出張で参加できなくなったお父さんの代理出走でチームに参加されたそうです。チームリーダーの小久保選手は57歳、その差はなんと41歳!小久保選手にレース後の感想を伺ってみました。「今まで2、3位までいったことがありますが、10年以上挑戦し続けて初めて優勝できました。お父さんの代わりに頑張って走ってくれた鈴(りん)ちゃんのおかげですね!」と嬉しそうに答えてくれました。
会社の自転車仲間で構成されたこのチーム、メンバーがそれぞれ転勤で大阪府・広島県・愛知県とバラバラになってしまったそうです。「普段は個人で練習して、年に一度シマノ鈴鹿ロードでメンバー全員がそろうんです」と語るリーダーの小久保さん、週に1〜2回通勤で往復約90kmロードバイクに乗っているとのこと。来年も連覇目指して頑張ってください!

5ステージ・スズカ 団体総合時間賞 

MKW(大東 泰弘選手/森﨑 英登選手/宇野 真澄選手/湯浦 裕貴選手/井手 道康選手/岸本 伊織選手)

緻密に練り上げられた作戦で総合優勝!愛知県三河のトップ選手混合チーム

全国から猛者たちが集い2日間で5つのステージレースを走り抜く、シマノ鈴鹿ロードの名物種目「5ステージ・スズカ」で団体総合時間賞を獲得したのは愛知県から参戦のチームMKW、大東選手、森﨑選手、宇野選手、湯浦選手、井手選手、岸本選手の6名でした。チームリーダーの大東選手に5ステージを制覇した作戦について伺いました。「大会前にチームメンバーで何度も作戦会議を行いました。各ステージで確実に1位をとっていく作戦を基軸にして、各ステージの成績やライバルチームの動きに合わせて柔軟に対応できるよう、様々な状況を考えいくつもプランを用意していました。第1ステージでは残念ながら2位でしたが、これも想定の内。第2ステージからはライバルチームの特長を踏まえて、逃げが得意な私よりもゴールスプリントが得意な森﨑選手を勝たせる作戦に変更しました。後は油断せず、逃げに出るライバル選手を抑える守備役、上位陣の動きをチェックする役など各メンバーが役割をきっちり果たして優勝することができました!」
実はこのMKW、愛知県三河地区の120ものチームからなる「三河連合」というグループから選出されたトップ選手たちで構成されたチームでした。昨年大東選手が代表となってこの連合を作り5ステージ・スズカに初挑戦、2回目の今大会で初優勝。第2ステージ以降をすべて制覇し森﨑選手が個人総合時間賞も獲得、圧倒的な力を見せたMKWの皆さんでした。