シマノ鈴鹿国際ロードレース

逃げ切りか、集団スプリントか——。終盤まで手に汗握る展開


国内トップチームや海外のUCIワールドツアーのサテライトチームなど、国内外のトップ選手が招待選手として参加するシマノ鈴鹿国際ロードレース。JBCFレースに参戦するようなトップアマチュアも含めおよそ170人がエントリーしました。
国内外の招待選手が所属する10チームは、スタート前の入場セレモニーで1チームずつ紹介されてからコースイン。中にはピットウォールの観客とハイタッチしながら入場するファンサービスを行う選手も!
レースはスタート直後から断続的に少人数でのアタックが繰り広げられるなど、常に活発な動きを見せますが、決定的な逃げはなかなか決まりませんでした。大きくレースが動いたのは7周目。ジャイアント・アルペシンのマーティン選手が単独で飛び出し、愛三工業の中島康晴選手が追走して2人逃げの体勢に。集団はこれを容認し、リードは9周目の時点で最大40秒近い差になりました。このまま逃げ切り確定か、と思われた最終周回、集団がペースを上げて猛追。中島選手が逃げから脱落し、マーティン選手は単独で逃げ続けるも、S字カーブの下りで吸収され、勝負はゴールスプリントに委ねられました。この戦いを制したのはチームUKYOのジョン・アベラストゥリ選手。2位には畑中勇介選手が入り、チームUKYOがワンツーフィニッシュを達成しました。

優勝

シマノ鈴鹿国際ロードレース 優勝:Jon Aberasturi Izag選手 


エリート

第2組が第1組を追い越すハプニングが発生

JCF登録/未登録にかかわらず出場できるエリート。フルコース7周回で行われ、シマノ鈴鹿国際ロードに次ぐ長距離レースです。今年は2組で計200人がエントリーしました。
レースは各組2分間隔でスタート。第1組はややゆったりとしたペースで推移しますが、第2組は昨年の全日本TTチャンピオン・中村龍太郎選手を中心に序盤からハイペースで推移。残り5周回にさしかかったところで、第2組の集団が第1組の先頭集団に追いついてしまうというハプニングが発生。安全かつ公平なレース運営のため、第1組にニュートラルが入り、第2組を前に行かせる措置がとられました。このため、第1組のスプリント賞に関しては、ニュートラル状態が敷かれていたこの周のスプーンとダンロップのポイントがキャンセルされました。
レースは両組ともスプリント賞がかかる周回を中心に先頭集団が活性化し、少しずつ人数が絞られていきます。特に2組目は中村選手を中心に終始ペースが上がるため、最終周回にさしかかるころには人数がかなり絞られました。
1組目は、大人数によるゴールスプリントを制した金世政選手が優勝。第2組は中村選手が後続を10秒以上引き離して圧勝しました。中村選手はスプリント賞も獲得する完勝でした。

各組の優勝・スプリント賞

エリート 1組 優勝:金世政選手 スプリント賞:隅原秀年選手
エリート 2組 優勝:中村龍太郎選手 スプリント賞:中村龍太郎選手



5周の部

スプリント賞と着順の二兎を追う選手も

フルコース5周で争われる5周の部は、JBCFのレースに出場するようなアマチュア選手も出場するレベルの高いクラス。土曜日の朝行われた5周の部Aは、2組合わせて約300人のライダーが出場しました。
このうち、最初にスタートした第1組は、レース経験の抱負な選手が多いためか、スムーズにまとまったスタートを切り、大集団のままレースが展開。スプリント賞のかかる残り3周と残り1周にさしかかるタイミングでレースが活性化しました。主に河賀雄大選手と小林孝臣選手が積極的に前方で展開し、スプリント賞の上位を確定。着順を巡る争いは最後はゴールスプリントに委ねられ、河賀選手が小林選手を下して優勝。スプリント賞は小林選手が獲得し、河賀選手は同2位となり、上位を分け合いました。

各組の優勝・スプリント賞

5周の部 A1組 優勝:河賀雄大選手 スプリント賞:小林孝臣選手
5周の部 A2組 優勝:野島遊選手 スプリント賞:渡邊誉大選手
5周の部 B1組 優勝:田中伶青選手 スプリント賞:加藤哲史選手
5周の部 B2組 優勝:伊原弘幸選手 スプリント賞:中村弦太選手



3周の部

女子クラスは女性だけで行われる最長周回のレース

3周の部は、女子クラスが設けられている最長周回のレース。5周の部にも女性選手は出場できますが、女性だけの争いという意味ではシマノ鈴鹿ロード最長のカテゴリーとなります。
1日目に開催された3周の部女子Aには34人がエントリー。有力チームの選手が大人数でエントリーする中、単独で挑戦する選手や中学生の女子も参加していました。
選手たちは号砲とともに一斉にスタート。上位陣は見事な集団走行でレースを繰り広げ、レベルの高さをうかがわせます。スプリント賞のかかる残り1周回目に集団が活性化し、13歳の渡部春雅選手が積極的な飛び出しを見せ、有力チームの選手を抑えて、ダンロップカーブの時点で早々にスプリント賞を確定。最終着順では栗林ひろみ選手と二口早紀選手のバルバ勢の後塵を拝しましたが、3位に入賞する健闘を見せました。
2日目のレースでは、渡部選手がスプリント賞全ポイントと着順を制し、完全優勝を果たしました。

各組の優勝・スプリント賞

3周の部 A1組 優勝:池上徹選手 スプリント賞:犬塚貴之選手
3周の部 A2組 優勝:高木英行選手 スプリント賞:石井晋也選手
3周の部 A3組 優勝:福原徹也選手 スプリント賞:中嶋勇貴選手
3周の部 女子A 優勝:栗林ひろみ選手 スプリント賞:渡部春雅選手
3周の部 B1組 優勝:寺田吉騎選手 スプリント賞:寺田吉騎選手
3周の部 B2組 優勝:吉岡学選手 スプリント賞:小林孝臣選手
3周の部 B3組 優勝:高木英行選手 スプリント賞:秋山佳輝選手
3周の部 女子B 優勝:渡部春雅選手 スプリント賞:渡部春雅選手



2周の部

JCF未登録者中心の人気カテゴリー。土曜日は5組に分けられる盛況

2周の部は中学生を除いてJCF未登録選手だけが出場できる、2周回11.6kmの短距離レース。このため、体験レースを経験した選手も比較的出場しやすいのが特徴です。また、女子クラスもあるため、女性の参加者ものびのびと走れるのも魅力。そんな魅力が受けていることを物語るように、シマノ鈴鹿ロードの個人種目では1時間エンデューロに次ぐ人気種目となっていて、土曜日は男女合わせて900人、日曜日も男女合わせて750人ほどがエントリーしました。
各組とも上位陣はスタートから勢いよく飛び出し集団を形成しながらレースを展開。残り1周のスプリントポイントを巡る争いで集団が活性化し、集団でのゴールスプリントで決着するレースが多く、見応えたっぷり。一方、マイペースでロードレースの雰囲気を楽しむ選手も少なくなく、完走後はピットウォール沿いの仲間のねぎらいの言葉に応えながら満足そうに完走した喜びをかみしめていたのが印象的でした。

各組の優勝・スプリント賞

2周の部 A1組 優勝:唐崎健選手 スプリント賞:村松功博選手
2周の部 A2組 優勝:松井三三選手 スプリント賞:今村公俊選手
2周の部 A3組 優勝:水野勝仁選手 スプリント賞:水野勝仁選手
2周の部 A4組 優勝:池上徹選手 スプリント賞:福島雄二選手
2周の部 A5 組 優勝:津田悠義選手 スプリント賞:川本憲一選手
2周の部 女子A 優勝:渡部春雅選手 スプリント賞:渡部春雅選手
2周の部 B1組 優勝:上田大満選手 スプリント賞:水野勝仁選手
2周の部 B2組 優勝:池上徹選手 スプリント賞:川本憲一選手
2周の部 B3組 優勝:犬塚貴之選手 スプリント賞:犬塚貴之選手
2周の部 B4組 優勝:薬師神晋選手 スプリント賞:寺田吉騎選手
2周の部 女子B 優勝:渡部春雅選手 スプリント賞:渡部春雅選手


体験レース

ロードレースの雰囲気に慣れる、初心者のための特別なクラス

体験レースは、レースになれていない人や、鈴鹿サーキットを初めて走る初心者のためのクラス。レース前に「レース初心者講習会」を受けることも義務づけられており、レースに慣れることを目的としています。タイムは計測して順位は発表するものの、表彰は行いません。
土曜日は午前と午後の2レースで約370人が、日曜日は午前中のみで200人ほどが参加。選手たちは初心者講習会で習ったことを思いだしながら、落ち着いてスタートを切りました。レース慣れしていないからか、まだ集団を風よけにしながら走る選手はあまりいませんでしたが、両日とも大きな事故もなく、無事にレースが終わりました。
「初心者の自分がレースにいきなり出るのはハードルが高いけれど、こういった体験の場があるのはありがたい」と参加者のひとり。「来年は2周の部か1時間サイクルマラソンにチャレンジしたい」と決意を語ってくれました。



1時間サイクルマラソン

ビギナーも満喫!マイペースでたっぷり1時間走れる人気種目

1時間サイクルマラソンは、鈴鹿サーキットの西ショートコースをマイペースで1時間たっぷり走れる人気種目。周回遅れになっても走り続けられるので、ビギナーやシニア、女性ライダーにも人気です。今年は土日合わせて1200人以上のライダーが参加しました。
土曜日のレースでは、時間が経つごとに暑さも厳しくなり、各選手が脱水にならないように工夫。マイペースで走る人であっても、西ストレートに設けられた給水ポイントを利用しがてら小休止する人、バックパックにハイドレーションパックを詰めて水分補給しながら走り続ける人など、それぞれの作戦で完走を目指しました。チームで数人が一緒にエントリーし、ビギナーのサイクリストをサポートしながら走るほほえましい場面も見られました。
1時間経過後、再びホームストレートに戻ってきた選手たち。その表情は「走りきった」という満足感に満ちているように見えました。

各組の優勝

1時間サイクルマラソン A 優勝:石川英樹選手
1時間サイクルマラソン B 優勝:河藤慎二選手


個人タイムトライアル

夕闇の鈴鹿サーキットで争われた最速ライダー決定戦

個人タイムトライアルは、ツール・ド・フランスの個人TTと同じように、独走でドラフティングなしで行うタイムトライアル。DHバーやエアロヘルメット、ディスクホイールなどのTT用の装備も使用可能で、これらをフル装備した気合いの入った選手も少なくありません。
東ショートコース1周で行われた予選の上位20人が1日目の最終レース・順位決定戦に進出。予選20位の選手から順に出走しました。
順位決定戦は、フルコース1周で行われ、距離も予選のほぼ倍になるため、脚質の関係で予選で好タイムをマークした選手が必ずしも優勝するとは限らないのがこのレースの面白いところ。予選では9位だった後藤孝明選手が暫定のトップタイムをマークし、その後の選手のタイムが期待されましたがなかなか上回る選手は現れませんでした。しかし予選を2位で通過した村山椋選手が7分37秒99をマークしてトップタイムを更新し、優勝しました。
トップタイムが更新されるたびに、ピットウォール沿いに詰めかけたギャラリーからは歓声が上がり、村山選手のタイム更新時には会場のボルテージも最高潮に。盛況のうちに1日目のレースが終了しました。

優勝

個人タイムトライアル 優勝:村山椋選手